滋賀県甲賀市土山町は、昔は東海道五十三次の49番目の宿場町として栄え、現在は合併して甲賀市に。土山茶が名産。ダム上流域は鈴鹿国定公園に指定されている。青土ダムが架かる野洲川は琵琶湖にそそぐ。
用途は多目的ダムで、洪水調整のほかに、上水道用、工業用、流水の正常な機能の維持、管理用発電等を行っています。
青土ダムは昭和38年度(1963年)の予備調査から、完成に至る昭和63年(1988年)まで25年を要して作られました。それまで度々洪水被害に見舞われており、ダムによる治水の必要がありましたが、青土ダム建設に際し、地元の理解を得るため、細かい補償交渉などの調整が必要でした。事業に伴う用地買収面積は89.2haで、うち75%が山林、田が15%、残りが畑及び宅地でした。事業による水没地は75%でした。水没用地の概要を引用します。
水没用地の概要
・保障家屋 24戸(水没地11戸、道路2戸、その他11戸)
・立木約200,000本
・茶木約93,000株(その他略)
「青土(おうづち)ダムの用地補償について」ダム日本NO.469 より
青土地区は昭和52年(1977年)2月、鮎河地区は昭和53年(1978年)3月に測量調査の了解が得られ、昭和55年(1980年)3月に「周辺地域整備事業に関する覚書」を交わしました。
今回、管理事務所を撮り忘れてましたので、小さ目の登場になります。
そういえばダムの銘板も撮り忘れていました。右岸側に立派なものがあったようです。
青土ダムの最大の特徴、常用洪水吐、常用洪水吐は常時満水位を上回ると水が越流します。ずーっと見てると魂も吸い込まれそうになる不思議な感覚があります。常用洪水吐の上の四角い部分は非常用洪水吐です。
なぜこんな唯一無二のようなユニークな形になったかというと、場所が無かったからなどの理由があるようですが、調べた中からそれらしい記述があったので引用します。
このような地形、地質の特質を考慮して、洪水吐は左岸側の岩井谷断層の川側に設置することとし、岩井谷断層部はウィングダムで止水する構造とした。
また、フィルダムに対するのり留め擁壁の規模を小さくするため、洪水吐きゲート部はダム軸に近い位置に設置し、ダム軸と洪水吐センターは直角に近い形状とした。(略)
この洪水吐調節方式は、中小洪水に対する洪水吐ゲートの操作頻度を少なくするため工夫したものであり、(略)
「青土ダムの洪水吐きの設計施工について」ダム技術Vol.6-2(1988)より
エコーバレイはキャンプやバーベキュー、釣り、オフロードバギーなどアクティビティ溢れるこの辺一帯の呼び名です。
もう少し上流へ歩いてみます。
レンタル乗り物コースのほかに、グランドゴルフ、釣り場、浮桟橋(歩道)などがあるようです。
本当は野洲川にかかった浮き桟橋を渡れるようになっていたようですが、この時は一時撤収していたのか壊れたのか分かりませんが、接続のない状態になっていました。(※壊れているようです)
引き返して今度は青土ダムの下流へ向かいます。
きれいな岩だなぁ…どこ見ても岩だな。ロックフィルダムだからそうなんだけど。
動画も作りました。良ければ見てください。(4分10秒)
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