東北電力が建設を中止した浪江・小高原発の予定地約128ヘクタールを浪江町に無償譲渡。その一部を利用して太陽光発電を利用し、太陽光の需給バランス調整と水素需要予測により、適正な水素運用システムで水素製造、貯蔵、運搬を行うのが福島水素エネルギー研究フィールドです。
福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想のもと、産業の復興、産業基盤の構築、を目指して建設されました。
フェンスの周囲をぐるっと周る感じで行きますよ。NEDO、東芝エネルギーシステムズ(株)、東北電力(株)、岩谷産業(株)によって進められてきた事業であり、2020年3月7日に完成しました。その後2020年9月から東北電力ネットワークと旭化成が加わり、5社体制で進められています。
敷地面積は61,742.20m2で東京ドーム5個分、太陽光発電施設の発電規模は20MW、水素製造量は10MWで世界最大級。1日の水素製造量は、一般家庭約150世帯の1ヵ月分の消費電力に相当とのことです。
もちろん太陽光は季節や天気によって発電量が変わるため、ベースロード電源とはなりえませんが、このように水素を製造し貯蔵することで、ある意味蓄電しているとも考えられます。そして水素はCO²をほとんど出しません。このように太陽光や風力などの安定しない電力を水素やメタン、合成ガスなどの製造に利用することをPower-to-Gasシステムと呼んでいます。
FH2Rの実証運用課題は、「水素の製造・貯蔵と電力系統の需給バランス調整の最適な組み合わせを、蓄電池を用いることなく水素エネルギー運用システムにより実現すること(NEDO)」であり、世界に先駆けたプロジェクトに期待が集まっています。
主に通勤時間に運行されてて、土日祝は休みのようです。敷地内では、何やら工事をしていました。
なるべく幅広く撮りたくて斜めの画像になっています。ご容赦を
FH2Rで作られた水素は、圧縮水素トレーラーやカードル(小型容器をまとめて固定したラックのようなもの)で浪江町に輸送され、なみえ水素タウン構想に貢献しています。(水素の運ばれ方 日本産業・医療ガス協会)
この日、FH2Rの写真を撮っている人がもう一人いました。やはり新しい試みに興味津々で見に来たのでしょうね。私も、福島に行く時はこの設備見たいなと思ったので来ました。
2022年度の見学の予約はもうできないようですが、2023年からの分はこれからのようなので、受け付け開始メールを受け取りたい人は産総研の視察・見学申込フォームページの「受付開始お知らせメール配信登録」に登録すると良いでしょう。※「1~2月は寒冷期につき、安全対策上、例年見学は実施していない」そうですので、3月以降の予約になるようです。
関連情報:水素充填研究設備「福島水素充填技術研究センター」が完成、運用開始―HDVへの水素充填・計量技術の早期実用化を目指す―
2022年12月12日
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101600.html
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