国道448号沿いにJAXA内之浦の入り口があります。道路沿いに小さな駐車スペースがあるので、一旦そこに車を停めて入場許可証を貰い、車のフロントから見える位置に置いて敷地を移動します。
訪れたのは2023年11月18日、朝は大雨が降りましたが、それ以降はたまに小雨が少し降る程度で全体的には晴天に恵まれました。
左端の中央から車で移動します。最初は③の人工衛星「おおすみ」打ち上げ記念碑と糸川英夫博士の像を見に行きます。
少し坂を上ったところに車を停めて歩いて下りてきました。
「人生で最も大切なものは逆境と友である 糸川英夫」(銘板の文言)
糸川博士はユニークな人だったので、様々な伝説が残っています。例えばロケット射場を選定する際種子島へ行った時、道が悪いから行きたくないと渋るタクシー運転手を助手席に置き運転したとか、60を過ぎてバレエを習い始め舞台に立ったりなど、好奇心と行動力にあふれた人のようでした。
日本初(世界で4番目)の人工衛星「おおすみ」はミューロケットで1970年2月11日に打ち上げられ、2月12日まで信号の受信ができましたが以降は途絶、2003年8月2日大気圏に突入して消滅しました。日本の宇宙探査の幕開けとなった人工衛星です。人工衛星おおすみWikipedia
糸川博士がいなければ、今の日本の宇宙への立ち位置はありませんでした。自前で衛星を打ち上げる技術を持っている国家は多くありません。これからますます宇宙が近づく時代に、このアドバンテージを生かし発展することができます。生かしきれるかどうかは私達次第ですが、旅をしていると、過去の日本人の頑張りと明かりを絶やさず燈し続けてきた人たちに感謝することはとても多いです。
18mパラボラアンテナは1970年に完成しました。GoogleMapsのストリートビューには現在と違う形で展示されている(2012年3月)画像を見ることができます。
見慣れたロゴですが、常に画面の向こうにあるものが実体として存在していると軽く感動します。
組み立て室と発射装置があるようです。S-520型、S-310型等を組み立てます。最近では11月14日に液体推進剤回転デトネーションエンジンシステム飛行実証実験でS-520型ロケットが使われました。人工衛星おおすみが打ち上げられたのもKSセンターからです。
衛星(ほし)ケ丘展望台へ行きましょう
所内で最も高い標高344mにあります。
先ほどまで居た34mパラボラアンテナと坂を下ったところの電子計算室が見えます。海のそばにあるのがM(ミュー)サイトですね。
山の中腹にあるのはイプシロン管制センターのようです。
次はM(ミュー)センターへ行きましょう。あ、次に昆虫が出ます。
この時は気付きませんでしたが、もしかしてお亡くなりだったかも知れません。
2020年に改修工事を行いました。
このロケットで人工衛星「おおすみ」を打ち上げたそうです。
L-4Sロケットは誘導制御装置がついていませんでした。技術や能力の問題ではなく、誘導装置はミサイル開発に繋がる軍事技術へ転用可能ということで、当時の野党の反対で開発が大幅におくれたためです。代替策として「無誘導打上げ方式」というスピンモーター、デスピンモータ、リスピンモーター等を駆使して機体の姿勢を制御する方式をとりました。この技術は後のロ-ル制御用固体モータ(SMRC)となります。
全長30.8m、直径2.5m。初代はやぶさも打ち上げました。現在運用中なのは太陽観測衛星「ひので」です。
1号機 1997/2/12 電波天文衛星「はるか」(MUSES-B)
日本のロケットの歴史を築いたミュー(M)シリーズの最新型「M-V」
3号機 1998/7/4 火星探査機「のぞみ」(PLANET-B)
4号機 2000/2/10 X線天文衛星「ASTRO-E」※1段目の燃焼異常のため最終速度が足りず、衛星を軌道に乗せられなかった
5号機 2003/5/9 小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)
6号機 2005/7/10 X線天文衛星「すざく」(ASTRO-E2)
8号機 2006/2/22 赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)
7号機 2006/9/23 太陽観測衛星「ひので」(SOLAR-B)
M-V(ミューファイブ)ロケットは2006年をもって終了した固体燃料ロケットです。
下のシャッターからロケットの部品が出て来るのをニュースで見たことあるよ!
人工衛星「おおすみ」とL-4S-5ロケットの記録動画が貴重で面白かったです。
L-4S-5(人工衛星「おおすみ」)1970年打上げ(28:19)
次の写真は昆虫が出ます。
参考:
- L-4Sロケット
- ミューロケット
- ラムダの苦悩と栄光
- ラムダロケット
- M-V時代の開幕
- 日本の宇宙機の一覧
- 観測ロケット(PDF)
- 肘付町内之浦宇宙空間観測所
- 国立科学博物館 人工衛星「おおすみ」
- 文化庁 宇宙航空研究開発機構「JAXA」内之浦宇宙空間観測所
- 糸川英夫
- 糸川英夫 生誕100年記念サイト
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