今回の旅の目的の一つ、それはカッパ捕獲…全国各地にカッパ伝説は数あれど、カッパ捕獲許可証を発行し、カッパハンターを認証しているのは岩手県遠野市のみ!
カッパ淵近くの伝承園という遠野の人々のかつての暮らしを伝えていく施設があり、そこでカッパ捕獲許可証(210円)を発行してもらいます。カッパ捕獲許可証の発券はネット(遠野時間@Shop)でも行っており、また、遠野市の道の駅 風の丘でも発行しています。
最初に捕獲条件を確認します。カッパというと、緑の印象が強いのですが、捕まえて良いカッパは真っ赤で大きな口…そんなレアそうなカッパ難易度高すぎる…
ところが、ここ遠野では赤いカッパが主流のようなのです。捕獲して頭の皿の水をこぼさないよう仲良く観光協会まで連れていかなければならないのです。この条件を満たして初めてハンターに1,000万円支払われるというのです。
ちなみに遠野駅そばの観光協会で920円支払い、顔写真付きの許可証を手に入れて5年更新すると、ゴールドカードになり、観光協会内で買い物をする時に商品価格が5%オフになるそうです。この許可証は観光協会でのみ発行し、必ず本人が訪れなければなりません。(期限が1年の許可証を5年分集めてもゴールドカードにはなりません。)
遠野市のマスコットであるカッパはあちらこちらで見ることができます。それでは伝承園を出て、常堅寺を通り、カッパ淵まで行きましょう。のんびり歩いて10分ぐらいでしょうか。
常堅寺さんの敷地を通ってカッパ淵まで行くルートです。案内板に従うと、徒歩ではこのようなルートになります。
賽銭箱にもカッパの意匠が!秋田県田沢湖町産の樹齢380年の楢の木で作られた「日本一の木彫りのカッパ」との事です。
車で来た場合、伝承園の駐車場が満車だったら、横断歩道付近の左側に、もっと大きい伝承園の駐車場がありますので、そちらも利用できます。トイレもありますよ。
どうやらライバルのハンターのようです。
あまり広い道ではないので、車に注意しつつ歩きます。
途中ビニールを張っていない骨組みだけの中に、こんなかわいらしい畑がありました。
作物が整然と実ってると、丹精込めて育てている人を感じ、とても嬉しい気持ちになります。
この見かけない高いワイヤーで囲われている区画はビールに使われるホップを栽培しているようです。田沢湖で見かけた野良ホップよりも、実が多く長い感じのホップです。(遠野産ホップのまちづくり)
道路沿いの景色を楽しく眺めていると、カッパ淵への案内板が現れました。案内板の頂点には、遠野市のカッパのあの子がいますね。
道しるべの示した先にあるのは常堅寺の門です。
あれ?中に入っていいのかな?という不安な気持ちになりますが、道しるべを信じて門をくぐります。
本来お賽銭を石像などに置く(観光地でよく見かけます)のは好きじゃないのですが、きちんと回収されてて青錆た硬貨は無かったので安心して乗せてきました。でもあとでよく考えたらお水のほうが良かったのでしょうか…カッパ狛犬様への対応を知らなかったという事で、間違っていたらごめんなさい。
「やっぱりこっちで合ってるのかな?間違ってない?」と不安になったタイミングで道しるべが。ナイス常堅寺さん。
常堅寺さんの入山時間外は少し遠回りな道を通ることになるようです。時期によって閉山時間が変わるようなのでご注意ください。
かっぱ淵に到着しました。
既にライバルたちが1000万赤いカッパ捕獲に血眼になっているようです。私も負けてはいられません。
紐の先にはキュウリやピーマン(?)が結わえてあります。
カッパもなかなか手ごわいやつのようです。
なんてことでしょう、カッパ捕獲許可証を得ずにカッパを狙う密漁者がいるようです!ライバルが増えて許せませんね。
緑や赤以外にも青いカッパもいるようです。
まさかその中には人間のしりこだまが…
9/23さおのきゅうりがおいしかったです
カッパが調子に乗ってノートまで書いてます。こいつはとんでもない挑戦状だぜ!赤カッパ待ってろよ!
だれだ…こんなダレた釣りしてるのは…見渡しても持ち主らしき人はいません。
持ち主はカッパ淵のまぶりっと…自分の持ち物に名前を示すのはいいとして、名人と言い切るとは!何という自信。
赤いカッパと仲良くしているまぶりっとさんの姿が…どうでもいいけど、イラストの筆致がプロ級です。漫画家さんが描いたのでしょうか。遠野の文化と伝統を守る人を「まぶりっと(守り人)」と呼ぶようです。
それにしてもこんな小さな沢に…じゃなかった淵に、ずいぶんたくさんのハンターたちが集っていました。
カッパのキッズならあの暗い部分などから、こちらの様子をうかがっててもおかしくありません。まぶりっとさんが連れてたカッパも小さい子でした。私はむやみに捕獲道具を垂らすことはしません。まずは居そうな場所にアタリを付けることが大事です。
むむっ!これは暗に「立入禁止」と言っているようですね。私の見立てではあの小さな橋の下あたりが実に怪しいのですが…
しかし捕獲できそうもない場所で粘るつもりもありませんでしたから、あの小さな橋の下に未練を残しつつカッパ淵を後にしたのでした。
外の地にては川童の顔は青しというようなれど、遠野の川童は面の色赭(あか)きなり。佐々木氏の曾祖母、穉(おさな)かりしころ友だちと庭にて遊びてありしに、三本ばかりある胡桃の木の間より、真赤なる顔したる男の子の顔見えたり。これは川童なりしとなり。
『遠野物語』 柳田国男 より
この後伝承園へ向かったのですが、途中の駐車場に立ち寄ったときに、併設している直売所でのこと
このお方は、勤続45年目でリストラされ、ピン番組を持つも放送終了になった…緑のカッパピン。息災で何よりです。
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