頭首工とは湖沼、河川などから用水路へ必要な用水を引き入れるための施設です。磯部頭首工は一級河川相模川から灌漑用水を取り入れる施設です。
江戸時代後期に磯部村、新戸村、座間村、新田村、入谷村(現在の相模原市南区、座間市)の5つの村のための取水口がほぼ同じ場所にあったと伝わっています。(相模川散策路案内図(PDF))この辺りは「すいどうぐち」と呼ばれています。
ここで水門を上げ下げするそうです。
取水門は左岸用6門、右岸用4門の計10門。取水門から取り込んだ水は、磯部頭首工公園の暗渠を通って…
(略)望月翁は、昭和5年近郷7か町村を結合して相模川左岸普通水利組合を設立、管理者となり、十数年にわたるかんがい用排水改良事業の完成に尽力しました。(後略)
農林水産省 土地改良偉人伝~水土里を拓いた人びと~ より
公園の奥の用水路へ
オブジェの横に案内板があり、左岸から右岸へつながる幹線用水路が4月から9月まで利用されると書いてありました。
この井筒を連続して沈め、内径1.5mの大きさのヒューム管を連結してコンクリートで被覆、頭首工の堰堤下約2mに埋設し、伏せ越しという逆サイフォン方式によって対岸まで水を送る設備を昭和34年(1959年)に完成させました。
伏せ越しによる灌漑用水の導入は右岸側の厚木市、伊勢原市、平塚市の水田約2,400haを灌漑するのに利用されます。(磯部頭首工と魚道 神奈川県環境農政局農政部農地課(PDF))相模川の堰堤の下を潜らせるなんて、大胆な発想ですね。(参考:農業農村整備事業位置図)
手前に土砂吐き鋼製油圧ローラーゲートが2門
魚道はアイスハーバー型です。左右両方に設置されています。
相模川は伝統的に鮎漁が盛んです。動画も作ったので、良かったらご覧ください。
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