【青森】津軽鉄道「金木駅」

金木駅
金木駅
津軽鉄道と地図
津軽鉄道と地図

金木駅の南には金木川が流れ、岩木川に注いでいます。金木町は明治22年に金木、川倉、藤枝、蒔田、神原の5区が併合され村制を施き、大正9年に町制を施行、大正11年に公衆電話を敷設したそうです。当時の電話は1通話5分制で5銭(大正13年になると3分)。大正時代の1円は現代の4000円という事なので、5銭だと200円位の感覚ですね。

訪れたのは2023年5月2日
訪れたのは2023年5月2日

金木町は昔から商業が盛んで栄えていたようです。周辺では農業に従事する人々が多かったようです。こうしてみると、太宰治の「故郷」も臨場感を持って再生されてくるので面白いです。

母重体の報を受け、妻と幼子と共に帰郷する太宰”「あれは、岩木山だ。富士山に似ているっていうので、津軽富士。」私は苦笑しながら説明していた。なんの情熱も無い。「こっちの低い山脈は、ぼんじゅ山脈というのだ。あれが馬禿山まはげやまだ。」実に、投げやりな、いい加減な説明だった。” 沈んだ心持で、心ここにあらずな感じが伝わってきます。去年十年ぶりに帰郷した時は心弾ませ故郷の風物を眺めていたという描写が前段にあり対照的です。

駅の横には駐車場があり、駐輪スペースもありました
駅の横には駐車場があり、駐輪スペースもありました

柵の向こうには線路が通っています。

金木駅の向かいにある可愛らしい建物
金木駅の向かいにある可愛らしい建物
駅舎と金木交流プラザが同じ建物に
駅舎と金木交流プラザが同じ建物に
趣のある建物とサインポール
趣のある建物とサインポール
金木駅向かいの小さなスペースには四阿があり、町の案内看板があります。
金木駅向かいの小さなスペースには四阿があり、町の案内看板があります。
まちの記憶 通りの物語
まちの記憶 通りの物語

今回は行きませんでしたが、太宰治の斜陽館や、疎開先のお屋敷、津軽三味線会館、その向かいには物産館などがあり、一日コースで見て回れるかどうかという盛沢山な地域です。

津軽三味線会館では、生の津軽三味線を聞きたいと思っていたのですが、予定を詰め込みすぎたため、無理と判断し諦めました。旅って、この心残りがあるから終わらないんですよね。しかも足を運ぶごとに「あ、ここまだ知らないや」が増える。

駅舎の入り口
駅舎の入り口
昔の金木駅
昔の金木駅
津軽鉄道厭戦案内
津軽鉄道沿線案内

昭和5年(1930年)の7月15日に、五所川原駅~金木駅間が開業したそうです。

時刻表と運賃表
時刻表と運賃表
12月1日から3月31日までストーブ列車が日中の3往復運行するそうです。ストーブ列車券は500円+乗車券。

「昭和5年7月15日、五所川原から金木間開業、同年11月13日全線開業(20.7km)、この冬12月よりストーブ列車を運転した。昭和19、20、21年は戦時中物資欠乏のため中止したが、昭和22年から再びストーブ列車を運転し現在に至っている。現在運行されているストーブ列車は4代目の客車である。(略)客車にダルマストーブをつけて暖房とし、車窓から地吹雪の景色を眺めるノスタルジックなストーブ列車 

津軽鉄道「ストーブ列車」より
春めく装飾
春めく装飾
金木の見所や名物のご紹介
金木の見所や名物のご紹介

日本で初めて飛行機を飛ばしたのは明治43年(1910年)の徳川好敏(よしとし)と日野熊蔵といわれます。フランス製とドイツ製の機体を日本に持ち帰り、合同で飛行試験を行ったということです。

白戸栄之助について
白戸栄之助について
白戸栄之助が操縦した飛行機
白戸栄之助が操縦した飛行機

その後、明治44年(1911年)5月5日、奈良原三次による奈良原式2号機を自ら操縦して所沢飛行場にて高度約4m、距離約60mの飛行に成功し、これが国産機による初めての飛行記録とされています。

奈良原三次は白戸栄之助にとって徳川好敏から紹介された師匠にあたり、白戸は奈良原の手による奈良原式4号機「鳳号」を見物料を取って飛行させることに成功し、民間操縦士第1号となったのでした。その後、中国・九州・四国・朝鮮・北海道・東北等全国の都市で巡回飛行を行い、当時は興行飛行の見物も盛況で、街道に露店が立ち並ぶ賑わいだったそうです。

お約束の顔はめパネル
お約束の顔はめパネル

手作り感がスペシャルな感じですごくいいです。白戸栄之助は民間に飛行機普及のアピールをしていましたが、そのなかで師匠の奈良原の知人福島ヨネを鳳号に乗せ5分間飛行しています。これは民間初の女性同乗者とされています。

庇が深いのが良いですね
庇が深いのが良いですね
駐車場から見える遮断機
駐車場から見える遮断機

参考:国立国会図書館デジタルコレクション:五能鉄道沿線案内 : 附・津軽鉄道沿線案内
https://dl.ndl.go.jp/pid/1057235/1/82
昔の「1円」は今のいくら?明治・大正・昭和・現在、貨幣価値(お金の価値)の推移
https://magazine.tr.mufg.jp/90326
公衆電話機のうつりかわり(PDF)
https://www.ntt-east.co.jp/databook/pdf/kousyuudenwaki_p269_p272.pdf
本の万華鏡:第5回 ようこそ、空へ―日本人の初飛行から世界一周まで―
https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/5/

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