2022年5月、雨に降られながら2020年9月20日にオープンした、東日本大震災・原子力災害伝承館へ行ってきました。
バスも運行されています。
原子力と結びついた地域を表す文字パネルが、国道6号沿いと双葉町役場の2か所にあったそうです。経年劣化により2016年に撤去されたそうですが、文字パネルは後世のために保存されているようです。ここで展示しているパネルはレプリカとのこと。
1階「海のテラス」の位置には、津波によってひしゃげた消防車が展示されています。
原発の建設、地震・津波、原発事故、そして廃炉、復興に関した映像が壁に映し出されます。
2階へ移動するとき、シアターを取り巻くように螺旋になったスロープがあり、壁の一部に上映内容に沿った年号を交えた写真の展示がありました。
オフサイトセンターは地震後に寸断された道路や渋滞で、当日向かえた職員が少なく、線量が高くなったため、移転を余儀なくされ、本来の機能を発揮することができなかったようです。
加えて、放射性物質が放出された時の災害対策として、日本原子力研究所を中心に気象研究所などの協力を得て開発されたSPEEDIへの情報が発電所の電源喪失により、送れなくなりました。また、SPEEDIの情報も非公開となったり、有効活用することはできませんでした。
福島県:原子力災害対策特別措置法に基づく出荷制限及び摂取制限等について
長く外に出れなかったりすると、子供の発達に影響があるのではと不安になりますね。(スポーツ庁:全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果)
復興は進んでいますが、避難先に定住したりする人もいて、震災後10年以上経ってしまうと生活が定着したり、戻って再建する体力もなくなっていたりするのだろうなと思いました。
ワークショップスペースでは語り部のお話が聞けました。震災当時の話や、語り部オリジナルの詩や歌等を聞きました。語り部の人は原発と深いかかわりの中で生活していたのだなとか、みんな必死で生き延び、家族を心配して戻ってそのままになったり、そしてここで語られる事もなく亡くなった人のほうが多いだろうと様々考えさせられました。伝承館に行くことがあったら、語り部のお話を聞くのをお勧めします。
大熊町の観光スポットは坂下ダム以外は現在も閉鎖中です。大熊町のほとんどは帰還困難区域になっていて、一部は特定復興再生拠点区域になっています。
廃炉に関しては、東京電力の廃炉資料館がさらに充実しています。(過去記事:【福島】東京電力廃炉資料館)
東日本大震災と原子力災害によって失われた浜通りの産業回復のために考えられた、国際研究産業都市構想で、様々な実験場や研究の機会を提供します。
遠くに海がありますが、雨天のため分かりずらいですね。伝承館のすぐそばには、きれいなホテルもできていました。
激しく降り出したので、建物の中に避難しました。中間貯蔵施設は除染作業により発生した土壌を最終処分するまで、一定期間保管する場所です。東京電力福島第一原子力発電所の周囲、双葉町と大熊町に跨って設けられる予定です。
一部の報道機関は「現場感が伝わってこない」と苦言を呈していましたが、恨み言も何も語らず、淡々と展示されており、戻ってこないものがあると分からせる展示に胸を締め付けられる感覚を覚えました。福島県全体で復興は進んでいるものの、東京電力福島第一原子力発電所に近い空間線量の高い地域とは、当分そういう地域になってしまったのだと首を垂れたのでした。
- 開館時間
午前9時から午後5時(午後4時30分最終入館) - 休館日
●毎週火曜日 ※火曜日が祝日または振替休日の場合は開館し、翌平日を休館日とします。
●12月29日~1月3日 - 展示入館料
●大人:600円
●小中高:300円
●未就学児:無料
●大人団体(20名以上):480円
●小中高団体(20名以上):240円 - 所在地
〒979-1401 福島県双葉郡双葉町大字中野字高田39 GoogleMap
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