【福島】東日本大震災・原子力災害伝承館

東日本大震災・原子力災害伝承館
東日本大震災・原子力災害伝承館

2022年5月、雨に降られながら2020年9月20日にオープンした、東日本大震災・原子力災害伝承館へ行ってきました。

東日本大震災・原子力災害伝承館マップ
東日本大震災・原子力災害伝承館マップ

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伝承館は県道254沿いにあります
伝承館は県道254沿いにあります

バスも運行されています。

敷地の隣には双葉町産業交流センターがあります
敷地の隣には双葉町産業交流センターがあります
双葉町産業交流センターにはお土産屋さんやレストランなどがあります
双葉町産業交流センターにはお土産屋さんやレストランなどがあります
花壇に植えられていた可愛い花
花壇に植えられていた可愛い花
東日本大震災・原子力災害伝承館フロアマップ
東日本大震災・原子力災害伝承館フロアマップ
1階展示
1階展示 原子力パネル
原子力広報の文字パネル
原子力広報の文字パネル

原子力と結びついた地域を表す文字パネルが、国道6号沿いと双葉町役場の2か所にあったそうです。経年劣化により2016年に撤去されたそうですが、文字パネルは後世のために保存されているようです。ここで展示しているパネルはレプリカとのこと。

1階「海のテラス」の位置には、津波によってひしゃげた消防車が展示されています。

消防車の展示
消防車の展示
この消防車は、双葉町消防団第9分団が利用していたもので、第9分団は伝承館の近くにあり、津波の時避難を呼びかけていたものとの事です。
この消防車は、双葉町消防団第9分団が利用していたもので、第9分団は伝承館の近くにあり、津波の時避難を呼びかけていたものとの事です。
1階建物内の様子
1階建物内の様子
1階シアター
1階シアター

原発の建設、地震・津波、原発事故、そして廃炉、復興に関した映像が壁に映し出されます。

シアターのぐるりには2階へ続くスロープがあります
シアターのぐるりには2階へ続くスロープがあります
シアターのスロープ
シアターのスロープ

2階へ移動するとき、シアターを取り巻くように螺旋になったスロープがあり、壁の一部に上映内容に沿った年号を交えた写真の展示がありました。

壁の展示
壁の展示
2階展示
2階展示
地域の産業や歴史文化の紹介
地域の産業や歴史文化の紹介
原子力発電と地域社会
原子力発電と地域社会
震災時の写真と死者・行方不明者・震災関連死
震災時の写真と死者・行方不明者・震災関連死
津波で土台ごともがれた郵便ポスト
津波で土台ごともがれた郵便ポスト
残されていたタイムカード 退勤の打刻は無い
残されていたタイムカード 退勤の打刻は無い
事故後の活動
事故後の活動
複合災害下の現場
複合災害下の現場
電源さえ喪失しなければ…
電源さえ喪失しなければ…
オフサイトセンター・原子力センターの事故前後の状況
オフサイトセンター・原子力センターの事故前後の状況
原子力災害時に設置されるオフサイトセンター
原子力災害時に活用されるオフサイトセンター

オフサイトセンターは地震後に寸断された道路や渋滞で、当日向かえた職員が少なく、線量が高くなったため、移転を余儀なくされ、本来の機能を発揮することができなかったようです。

SPEEDIとは
SPEEDIとは

加えて、放射性物質が放出された時の災害対策として、日本原子力研究所を中心に気象研究所などの協力を得て開発されたSPEEDIへの情報が発電所の電源喪失により、送れなくなりました。また、SPEEDIの情報も非公開となったり、有効活用することはできませんでした。

福島第一原子力発電所のジオラマ
福島第一原子力発電所のジオラマ
過去に起こった原子力関連事故
過去に起こった原子力関連事故
オフサイトに残されていた福島第一原発からの距離、避難指示範囲、避難先へのアクセス方法など
原子力災害の産業への影響
原子力災害の産業への影響
出荷制限
出荷制限

福島県:原子力災害対策特別措置法に基づく出荷制限及び摂取制限等について

ヨルダン・ハシェミットからの支援Tシャツ
ヨルダン・ハシェミットからの支援Tシャツ
除染作業について
除染作業について
今ではコロナの印象が強くなった防護服
今ではコロナの印象が強くなった防護服
土嚢袋
土嚢袋
空間線量
空間線量
福島の子供について
福島の子供について

長く外に出れなかったりすると、子供の発達に影響があるのではと不安になりますね。(スポーツ庁:全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果

公立小学校体力測定実技グラフ
公立小学校体力測定実技グラフ
仮設住宅団地の看板
仮設住宅団地の看板
被災証明書と通行証
被災証明書と通行証
避難者数の推移
避難者数の推移

復興は進んでいますが、避難先に定住したりする人もいて、震災後10年以上経ってしまうと生活が定着したり、戻って再建する体力もなくなっていたりするのだろうなと思いました。

ワークショップスペース
ワークショップスペース

ワークショップスペースでは語り部のお話が聞けました。震災当時の話や、語り部オリジナルの詩や歌等を聞きました。語り部の人は原発と深いかかわりの中で生活していたのだなとか、みんな必死で生き延び、家族を心配して戻ってそのままになったり、そしてここで語られる事もなく亡くなった人のほうが多いだろうと様々考えさせられました。伝承館に行くことがあったら、語り部のお話を聞くのをお勧めします。

大熊町は福島第一原子力発電所を擁する地域です
大熊町は福島第一原子力発電所を擁する地域です
大熊町の公式マスコットおおちゃんとくうちゃん
大熊町の公式マスコットおおちゃんとくうちゃん
本来のおおちゃんとくうちゃん(Googleマップ)
本来のおおちゃんとくうちゃん(Googleマップ

大熊町の観光スポットは坂下ダム以外は現在も閉鎖中です。大熊町のほとんどは帰還困難区域になっていて、一部は特定復興再生拠点区域になっています。

大熊町 過去形が多く胸が痛い
大熊町 過去形が多く胸が痛い
廃炉の今
廃炉の今

廃炉に関しては、東京電力の廃炉資料館がさらに充実しています。(過去記事:【福島】東京電力廃炉資料館

福島イノベーション・コースト構想
福島イノベーション・コースト構想

東日本大震災と原子力災害によって失われた浜通りの産業回復のために考えられた、国際研究産業都市構想で、様々な実験場や研究の機会を提供します。

ロボットテストフィールドや先端技術導入の農業などの紹介
ロボットテストフィールドや先端技術導入の農業などの紹介
3階は展望デッキになっています
3階は展望デッキになっています
周辺の様子
周辺の様子

遠くに海がありますが、雨天のため分かりずらいですね。伝承館のすぐそばには、きれいなホテルもできていました。

中間貯蔵施設が見えています(環境省:中間貯蔵施設情報サイト)
中間貯蔵施設が見えています(環境省:中間貯蔵施設情報サイト

激しく降り出したので、建物の中に避難しました。中間貯蔵施設は除染作業により発生した土壌を最終処分するまで、一定期間保管する場所です。東京電力福島第一原子力発電所の周囲、双葉町と大熊町に跨って設けられる予定です。

モニタリングポスト
モニタリングポスト

一部の報道機関は「現場感が伝わってこない」と苦言を呈していましたが、恨み言も何も語らず、淡々と展示されており、戻ってこないものがあると分からせる展示に胸を締め付けられる感覚を覚えました。福島県全体で復興は進んでいるものの、東京電力福島第一原子力発電所に近い空間線量の高い地域とは、当分そういう地域になってしまったのだと首を垂れたのでした。

東日本大震災・原子力災害伝承館 情報

  • 開館時間
    午前9時から午後5時(午後4時30分最終入館)
  • 休館日
    ●毎週火曜日 ※火曜日が祝日または振替休日の場合は開館し、翌平日を休館日とします。
    ●12月29日~1月3日
  • 展示入館料
    ●大人:600円 
    ●小中高:300円 
    ●未就学児:無料 
    ●大人団体(20名以上):480円 
    ●小中高団体(20名以上):240円
  • 所在地
    〒979-1401 福島県双葉郡双葉町大字中野字高田39 GoogleMap

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