遠野地方のかつての農家の昔話、生活様式、民芸品などを伝える文化施設が伝承園です。
伝承園
- 開園時間 午前9時〜午後5時 (入園受付は午後4時30分)
- 入園料 大人…320円 小・中・高校生…220円
- 休園日 年中無休
岩手・遠野 伝承園 より
かつては、玄関や門の役割も担っていたそうですよ。
撮影用との事でした。左側にはカッパハンターの目印お皿(麦わら帽子)を無料で貸し出している部屋がありました。親子連れのお父さんも楽しくお皿をかぶってる光景を見ました。
繭玉のカッパグループ(レンジャーかな?)かわいいですね~。
アカザの杖、持ってみるととても軽かったです。遠野ではアカザの杖をついて、天王様(「天王様とモミの木(遠野遺産)」のある八坂神社)をお参りするとあたらない(脳溢血)といわれているそうです。乗込長屋で入園券を購入し園内へ
入って左は帳場で伝承園のスタッフ専用の建物です。
右側には佐々木喜善記念館があります。佐々木喜善(Wikipedia)さんは民話の収集家で、佐々木さんの研究を元に、柳田国男さんの「遠野物語」はできました。佐々木さんは日本のグリムと言われています。
この時は解放されており、「ご自由に入ってお休みください。」の貼り紙がしてありました。日当りのいい縁側はいいですね。
そういえば私が幼少の頃、見知らぬおじさんが縁側で酔って寝ていたことがあり驚いたものでした。田舎だったので、そのような事はままありましたし、ちょっと立ち寄ったり、軽く世間話するような空間で、縁側にはそういう気軽な印象を持っています。
雪隠(遠野の昔の農家の便所)
渡してある板に跨りぶら下がっている縄を掴んで用をたしました。
用をたした後どうやってお尻ふくのだろうかとおもったら、身分が高ければ紙を使い、そうでない人々は葉っぱや籌木(ちゅうぎ)という平たい板をたくさん用意してあったらしく、籌木でこそげ落としていたそうです。私だったら葉っぱがいいな…と思いました。
湯殿(風呂場)
昔は、お風呂は野外に設置されていました。この風呂は『鉄砲風呂』といい金属製の筒を据え風呂に取り付けたものです。
週に2~3回使われたそうです。鉄砲風呂を調べたところ、慶長年間(1596年~1615年)の末頃の登場のようですので、江戸時代ですね。
手押しポンプは現存のもののようで、Amazonにて2万円弱で売っていました。
国指定の重要文化財 菊池家曲がり家
1750年頃に建てられたといわれる最も古い時期の南部曲り家。直家から曲り家へ発展経過が垣間見られる貴重な建物で、昭和51年に国の重要文化財に指定されております。人と馬がともに生きた遠野の文化を伝える施設として、一見の価値あり。
伝承園 園内案内より
古家下げ(ふるやさげ)とは、屋根の葺き替え作業のことで、30年~40年に一度の大仕事で、集落全体でお互いに協力し合って行っていたそうです。
この部屋では、おばあさんの声で語る昔話が流れていました。
切れないよう恐々回し始めたのですが、思ってる以上に強度のある糸で、最後は割と早く糸取りを回せるようになりました。
おしら様(おしらさま、お白様、オシラ様、オシラサマとも)は、日本の東北地方で信仰されている家の神であり、一般には蚕の神、農業の神、馬の神とされる Wikipediaより
この先にオシラ堂(御蚕神堂)があります。
神体は、多くは桑の木で作った1尺(30センチメートル)程度の棒の先に男女の顔や馬の顔を書いたり彫ったりしたものに、布きれで作った衣を多数重ねて着せたものである。Wikipediaより
100円のお賽銭で願掛けをできるようです。
オシラサマは馬、男、女があるようです。ちょっとした異次元空間でした。
板倉は、土壁を塗らずに作られた、元々納屋・倉庫に用いたものです。
板倉掲示物より
遠野の民芸品や、農業のVTRなどを流しています。
板倉は小さなお子さんに開放しているようなので、楽しく遊べる工夫ですね。
この時は遠野の農家の話が放映されていました。稲の干し方の変遷をやっており、とても面白かったです。
お店に入って泥棒するので、お店のスタッフさんが「おいでおいで~」と言いながら入店できないようにバリケードを作ってたのが印象的でした。スタッフさんの話によると、誰も触らせてくれない猫のようです。今気づきましたが、猫の足元にカッパの石ころがありますね。
オシラサマ伝説
昔あるところに貧しき百姓あり。妻はなくて美しき娘あり。また一匹の馬を養う。娘この馬を愛して夜になれば厩舎に行きて寝ね、ついに馬と夫婦になれり。或る夜父はこの事を知りて、その次の日に娘には知らせず、馬を連れ出して桑の木につり下げて殺したり。その夜娘は馬のおらぬより父に尋ねてこの事を知り、驚き悲しみて桑の木の下に行き、死したる馬の首に縋りて泣きいたりしを、父はこれを悪(にく)みて斧をもって後より馬の首を切り落せしに、たちまち娘はその首に乗りたるまま天に昇り去れり。
『遠野物語』柳田国男 より
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